「正しい構えを教えてください」とよく聞かれます。しかし、全員に同じ足幅、同じ重心、同じガードを当てはめると、かえって動きにくくなる人がいます。
今回のボクシング講座
ボクシングコーチ・久田哲也が2026年8月に大阪で実施した講座事例です。11歳から64歳までの9名が参加し、長身・リーチの長い相手への距離対応を扱いました。個人が特定される情報は掲載していません。
同じテーマでも、止まっている場所は違う
「長い相手に入れない」という悩みは共通していても、原因は同じではありません。
- 距離へ入る前に相手のパンチを受ける
- 近づいても右が出ない
- 角度を取った後、攻撃が遅れる
- 攻撃中にガードが下がる
- 相手のペースに合わせてしまう
表面上は同じ「距離の問題」でも、重心、構え、判断、恐怖、攻防のつながりを分けて見る必要があります。
指導では比較実験を行う
久田式では、最初から一つの正解を伝えるのではなく、構えや重心を少し変えて比較します。
- いつもの構えで動く
- 重心や身体の置き方を一つだけ変える
- パンチの出しやすさ、避けやすさ、戻りやすさを本人が比べる
- 指導者の観察と本人の体感が一致する位置を探す
大きくフォームを変えるのではなく、わずかな差で動きが変わるかを見る。これが微差力です。
安心できるガードも人によって違う
対人練習では、ノーガードに近い方が相手を見やすい人、片手を前に置く方が動きやすい人、ハイガードの方が安心して前へ出られる人に分かれました。
ここで重要なのは、見た目だけで優劣を決めないことです。安心感が増えることで脱力できる人もいれば、ガードを上げることで視野や反応が狭くなる人もいます。
「一緒に見つける」が指導になる
指導者は診断し、候補を示します。しかし最後は、本人が「これなら力まず動ける」「避けた後に戻れる」と感じられることが必要です。
構えを押し付けるのではなく、比較しながら本人に合う位置を一緒に見つける。この過程が、自分で修正できる選手を育てます。
成果について
この講座で確認できたのは、同じ課題でも動きやすい重心・構えに個人差があったことです。本記事は、講座当日の指導内容と、その場で見られた変化をまとめています。
監修:久田哲也(第40代日本ライトフライ級王者・プロ通算47戦)
本記事は2026年8月の大阪講座記録を匿名化して再構成しています。

コメントを残す